小さいお子さんが動物を可愛がるようになると、お肉は牛さんやぶたさんを殺して食べるのだから、可哀そう!
と食べたがらない時期がありますね。
お米や野菜は植物だからいい、と思うようです。
精進料理も殺生を嫌って、動物や魚を食べないところは、似ていると思いませんか?
では、鶏の卵はどうでしょうか、鶏を殺すわけではないのだから、いただいてもいいじゃない?とも思いますね。
卵がいいなら牛の牛乳だった良さそうですよね。
でも本当のところはどうなのでしょうか?
気になるこの点について調べてみました。
精進料理には卵や乳製品は使えないの?
精進料理は元々仏教の戒に基づいて殺生や煩悩への刺激を避ける料理のことです。
肉や魚などの動物性の食材や、五葷(ごくん)と呼ばれるネギ類などの野菜を避けるのが特徴です。
6世紀に中国から伝わったようですが、元々は修行僧のための食事だったのです。
動物を殺さないことを重視するので、精進料理には肉や魚は入っていません。
煩悩を刺激しないために、ニンニクやネギ、ニラ、ラッキョウ、ヒルの五葷も避けるのです。
この強い臭いがいけないわけです。
原則は、動物からいただく卵や牛乳もダメということになります。
具体的には卵や牛乳を作り出すのは鶏や牛ですね。
鶏や牛は卵や牛乳を作るのに大量の草を食べなければなりません。
人間が菜食にする方が食べる量がぐんと少なくて済むから結局殺生の節約につながるとも言えるようです。
さらには、鰹節の出汁もアウトということです。
でも解釈が違うところもあって、地域や宗派によっては卵や乳製品はオーケーというところもありますね。
お釈迦様さえお布施で受けた乳粥を食べたとも言われていますよ。
精進料理、無精卵ならどうでしょう?
卵にはやがてひよこになる有精卵と、全くひよこにならない無精卵があるのはご存知でしょう。
スーパーで売られているのは無精卵です。
だから、ひよこになる可能性はないのです。
それなら、動物を殺すことにはならないのだから、精進料理で無精卵を食べてもいいのでは?
とも思いますよね。
ところが、この無精卵というのは人工的に飼育した鶏が産む卵なわけです。
仏教の教えができたころには無精卵などという考え方はなかったのですよ。
なので、無精卵ならいいとはならないわけです。
ちょっと残念ですね。
肉や魚、卵を食べない、牛乳も飲まないとなるとたんぱく質が足りなくなると思いませんか?
精進料理では、大豆を使った料理や豆腐、湯葉、油揚げなどをふんだんに使って補っているのですね。
高野豆腐も弘法大師が冬場の保存食用に作ったのが始まりなのですって。
最近は栄養の摂り過ぎによる肥満が問題になっているので、かえって精進料理が注目されていますよ。
家庭でも作れる精進料理の一例をご紹介しましょう。
・ご飯
・ニンジン、ゴボウ、ダイコン、こんにゃく、水煮大豆の味噌汁。
・シイタケと昆布出汁で作るダイコンと油揚げの煮物。
・豆腐ハンバーグ。
・カボチャの煮つけ。
・きのこご飯。
・けんちん汁。
・ふろふきダイコンのネギ味噌かけ。
・がんもどきの煮つけ。
・ほうれん草の胡麻和え。
これなら、卵や牛乳なしでも立派な夕食メニューですよね。
ぜひ野菜中心のヘルシーメニューをご自宅でもお試しください。
まとめ
精進料理は仏教の教えに基づいた僧侶の修行用の食事でした。
殺生や煩悩を避けるために、肉や魚、それに、ニンニクやネギなどの刺激の強い野菜は食べません。
原則では、卵や牛乳も使いません。
大豆や大豆製品の豆腐や湯葉、油揚げなどをふんだんに使い、たんぱく質を補っていますね。
最近は粗食ブームもあって、精進料理が見直されています。
家庭でも、野菜や大豆をたっぷり使った精進料理を作ってはいかがでしょうか。
コメント
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